ややこしいカタカナ言葉を解説!  WEBに関係ないと思ったらすごい関係がある編

はじめに

カタカナ言葉はわかりにくいですが、WEB業界にいる以上、理解しなくてはならないものです。

そして知ることでさまざまな一手を打つことができます。

日々のニュース、関心事、トレンドを眺めているとカタカナの言葉がとても多いことに気づきます。仕事を終えると、僕はスマホのアプリなどを使って気になった記事やニュースをピックして保存する習慣をつけているのですが、一つの記事の中で驚くくらいカタカナ言葉が登場したりします。
例えば、以下は一つの記事にあったカタカナ言葉の例です。

ダイバーシティ/インクルージョン/ウェルビーイング/ウェアラブル/ソリューション/AI/ホメオスタシス/etc…

「…🤔」
多いですね、カタカナ言葉。くらくらする程です。
これは「データ×AI革命で目指すべき社会とは」をテーマにした記事だったのですが、皆さん、登場したカタカナ言葉のうち、いくつお分かりになったでしょうか。ちなみに僕はウェルビーイングとホメオスタシスについてはまったくわかりませんでした(調べてみたらなかなか奥が深い語でした)。

さて、僕を含めた普段日本語で話されている皆さんは、これらカタカナ言葉についてこう思ったのではないでしょうか。

「日本語にしてくれないとわからない」

そう思うのも無理はないですし、僕自身そう感じることも少なくありません。しかし、中には日本語に訳したくても訳せない、もしくは訳すと意味が誤解して伝わってしまう言葉というものが存在します。なぜそんなことが起きるかというと、それが日本語にない概念、抽象化されたものだからです。この場合はむしろカタカナ言葉をそのまま使ったほうが文脈を理解する上での助けになります。

とはいえ、日本語に訳すことができるカタカナ言葉も当然あります。

今回は第2回目ということで、1回目のようにすごく直接的には関係ないけれど、今後のWEBやマーケティングでは絶対に切っては切れない4つの語句について簡単な解説をして参ります。これは僕の考えですが、言葉だけを知っていても意味はありません。言葉が持っている意味を知ることが大切です。言葉の持つ意味を知ることで、新しい視点の発見やアイデアの着想を得られると思っています。
また参考文献やWEBサイトについては、各セクションに記載していますので、気になる方はそちらもご覧いただけると一層の理解の助けになるかと思います。

ダイバーシティ(Diversity)

ダイバーシティについてはこちらの記事でも軽く触れましたが「多様性」という意味です。

多様性とはさまざまな性質の群が存在する状態のことを指しますが、さまざまな性質の群、といってもすこしわかりにくいかもしれません。そこで僕たちの社会を構成している人を例に考えてみてください。「性別」「年齢」「人種」「宗教」「国籍」「価値観」など、さまざまな性質を持った方がおられるのに気付いた筈です。ダイバーシティはこのさまざまな人たちが集まった状態を言います。

さて、ダイバーシティを考え、推進する上でWEBサイトにはどんな働きが求められるでしょうか。
最初の取り組みとしてはアクセシビリティの担保でしょう。アクセシビリティについては下記の記事で解説しているので、お手すきのときにご一読ください。

関連記事

アクセシビリティを考慮しないというのは、本来提供できたはずのものを提供するべき人たちに届けられないということに繋がります。それは機会損失にもなりますし、これからの社会にも逆行する流れでしょう。

また、アクセシビリティ以外にもダイバーシティを推進する上で考慮しなければならない箇所があります。たとえば、お問い合わせフォームが代表的な例です。性別を問う項目で、ついつい次のような選択肢を設定してしまうことはないでしょうか。

もし、フォーム設置者が何も考えずに性別を男女のみで分けているとすれば、残念ながら多様性を考慮していないことになります。性別はもはや男性、女性の二項だけでは分けられないものです。性別や性自認は極めてパーソナルな領域ですので、そもそも本当に項目を設けるべきか、設けるならなぜ必要なのかなどを設計段階で慎重に考慮すべきです。

ひとつ良い例を紹介します。サントリーホールディングス株式会社ではフォームの性別欄を「男性・女性・その他・回答しない」と4項目に分けています。


(参照 :サントリーホールディングス株式会社 お問い合わせフォームより)

素晴らしいのは男性・女性・その他の三つだけではなく「回答しない」を設けた点でしょう。
同社は次に解説するSDGsにおいてもしっかりとしたビジョンを持って取り組んでおり、企業がどのようにSDGsやダイバーシティに取り組むべきかのモデルケースになっています。

【参考リンク】
ダイバーシティとは – コトバンク

SDGs(Sustainable Development Goals)

SDGsとはSustainable Development Goalsの略で日本語にすると「持続可能な開発目標」になります。2015年の国連サミットで採択された目標で2030年までに達成すべき17のゴールが設定されています。
さきほどダイバーシティの項目で紹介したサントリーホールディングスはサステナビリティビジョンとしてSDGsを活用しています。

サントリーグループのサステナビリティ

さてSDGsとWEBサイト、一見繋がりが見えないように感じます。またビジネスとどう繋がるのか、ただの慈善活動ではないかと首をかしげる人もいるかも知れません。しかしWEBサイトとを広告塔として見たり、今現在世界の企業が行っている活動を見ると、まったく別の視点が見えてきます。

今、ファッション業界では毛皮の使用を止めているブランドが多いことを皆さんは御存知でしょうか。グッチ、フルラ、アルマーニといった有名なハイブランドは毛皮を使用した商品を現在販売していません。これはファッション業界がエシカルな方向に舵を取ったことが理由です(エシカルファッションはトレンドですね)。エシカルの概念を説明すると長くなるので省略しますが、SDGsの概念とエシカルはとても相性がいいのです。つまりファッション業界もまたSDGsに舵を取った企業方針を取っているということです。

なぜ、企業はSDGsに取り組んでいるのか。それはSDGsに取り組むことが企業責任であると同時に、自社の商品を訴求するというビジネスとしての戦略の両面があるからだと筆者は考えています。

実際、SDGsの認知は年々高まっており、昨年電通が調査した結果ではミレニアル世代やZ世代の関心が高いことが伺えます。

第3回「SDGsに関する生活者調査」を実施 – ニュースリリース一覧 – ニュース – 電通

このことから、ミレニアル世代・Z世代をターゲットにした商品、サービスなどをWEB展開するときは、その取り組みについても訴求することが重要かもしれません。SNSの運用、サイトのデザインなども当然考えていく必要があります。

【参考リンク】
SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省

ミレニアル世代・Z世代

ミレニアル世代

1981年から1995年の間に生まれた世代と定義されています。2000年代に登場した検索エンジン、SNSの導入と台頭を肌感覚で体験したデジタルパイオニア世代。

Z世代

1996年から2015年の間に生まれた世代と定義されています。高速ネット回線、VOD、スマホなどが子供時代にあったデジタルネイティブ世代。

ミレニアル世代・Z世代についての理解もWEBコンテンツを作る上では避けて通れません。ミレニアル世代とZ世代の特徴についてはアメリカのリターゲティング広告会社であるCriteoが解説記事を上げておりますので、詳細はここでは割愛させていただきます。

ミレニアル世代 vs Z世代:押さえておくべき4つの違いと特徴

アメリカの世代のことだから関係ないじゃないか、と思われるかもしれません。しかし、日本でも同じ年代がデジタルパイオニア・ネイティブであること、ネットやSNSを通じて多種多様な価値観、社会問題に興味関心がある点は同じです。それは先のSDGsの認知度がミレニアル世代とZ世代で高かったことからも明らかでしょう。

おわりに

第1回目がかなり限定的かつ具体的な内容だったのに対し、今回は直接WEBと関係なそうな言葉ばかりで困惑されたかもしれません。しかし本質的にはこれらのことは全て繋がっています。多様性をないがしろにしては利用者を取りこぼさないようなWEBサイトの設計はできません。SDGsというものの意義や取り組みを知っていれば、それに関心がある世代にどう訴求するのか、どのような見た目のサイトが好ましいのかなどの推論を立てることが可能です。

弊社ではWEBサイト制作をする際、チームが一丸となってサイト制作を行っております。その中でお客様が抱える見えない課題を発見し、提案を行うことも可能です。もし、サイト制作でお悩みの方がおられましたら、弊社問い合わせまでご連絡ください。お客様の目的にあったサイト制作のプランをご提案させていただきます。

➡まずはお気軽にお声がけください。 よろしくお願いいたします。

 

【前回の記事】

関連記事

この記事と同じカテゴリの記事