Web広告媒体の選び方:マーケティング基本の『き』

世の中にはたくさんの『マーケティング施策』が存在しています。

マーケティングとは、おおまかに言うと、かかわるすべてを最適化して、全体の最終目的『(商品の購入・資料請求・問合せなど)コンバージョン』を増やすための仕組みを作ることです。

Webマーケティングは、マーケティング活動のすべて・もしくは一部がWebやインターネット上で行われることを意味します。ネット広告やランディングページ、SEO…といった、それぞれの『施策』を指すのではありませんし、商品と顧客の接点が複雑化している現代では、『口コミで知った商品を検索して購入』『SNSで知った商品をリアル店舗で購入』など、Web・インターネットにかかわる部分だけを、切り離して考えることも意味のないことかもしれません。

とはいえ、いきなり全体を考えることは難しいでしょう。
このページでは、Web広告を中心に、その選び方を考えてみたいと思います。

Web・インターネットは、『正しい』が変化する世界

Webマーケティングの世界では、様々なツールが日々新しく登場しています。また、すでに一般的に広く知られている情報についても、頻繁にアップデートが行われ、少し前までの「正しい使い方」が「間違った使い方」になっていることがしばしばあります。

Webマーケティングの世界では、様々なツールが日々新しく登場しています。また、すでに一般的に広く知られている情報についても、頻繁にアップデートが行われ、少し前までの「正しい使い方」が『間違った使い方』になっていることがしばしばあります。

例えば、ネット広告の世界でここ数年の最も大きなトピックスは『機械学習』が進んだことでしょう。

それまで運用型広告は、『手動』で設定の最適化を図り、より効果を最大化することが求められていました。
運用者の経験・ノウハウに基づく属人的な部分が、結果を左右していたのです。

そのような中、『機械学習』の仕組みが取り入れられ、AIの活用による運用・最適化が進みました。

しかしこれは、『放っておけば誰でも結果が出せる』のとは違います。
運用者に求められるものが、自分で手を動かして操作することから、『機械学習をうまく働かせるノウハウ』『意図通りにAIを働かせるスキル』に変わった ということです。

※広告運用者に求められるスキルの変化
 . .従来:自分で手を動かして直接コントロールするノウハウ

. .  .▼▼▼

 . .現在:効果的に機械学習を進め、意図通りにAIを働かせるノウハウ

このような変化は、他にも大小さまざまなものが日常的に発生しています。
犬の成長が人と比べて速いことになぞらえた『ドッグイヤー』、人間の18倍で成長するネズミになぞらえた『マウスイヤー』というコトバもあるように、Web・インターネット業界の技術進化は早く・頻繁に行われていますので、何が正しいかを知るためには、常にアンテナを張り、情報を集め、内容を十分理解しておく必要があります。

運用型広告の機械学習は、何を『学習』してるの?

GoogleやYahoo!Facebook広告やInstagram広告などの運用型広告では、おもに入札単価を自動的に設定する「自動入札」と複数の広告クリエイティブの中から配信する広告を決める「配信広告の選択」で機械学習が活用されています。

そのような中、Google広告やYahoo!広告、Facebook広告やInstagram広告などの、いわゆる運用型広告では、おもに入札単価を自動的に設定する『自動入札』と、複数の広告クリエイティブの中から配信する広告を決める『配信広告の選択』で機械学習が活用されています。

例えば検索型広告では検索が行われるごとに・ディスプレイ型広告ではユーザーがサイトを閲覧するごとに、リアルタイムで『入札』が行われ、表示の順位が決まります。

1日に使える予算が多ければ、たくさんの入札に参加できますので、『経験値』を上げることができ、徐々に良い結果も出せるようになり、入札自体の精度も上がっていきます。

対して、複数の広告クリエイティブ(バナー・広告文)を入稿している場合は、『配信広告の選択』で機械学習が働きます。

設定したどのターゲティング層に(さらにその設定したターゲティング層の中のどの区分に)どの広告クリエイティブを優先的に配信するのか?こちらも配信とクリックなどの結果データ収集・活用を同時に行い、精度を高めていきます(広告のローテーションを『最適化』に設定している場合)。

『配信広告の選択』についても、自動入札とおなじく『たくさんの入札に参加すること』で経験値が上がり、精度の上がるスピードもより早くなります。成果のためには、短期間で・たくさんの入札に参加できるキャンペーン構成が欠かせません。

目的の明確化・広告はあくまで『手段』

広告は、あくまで目的を達成するための「手段」「ツール」です。ちょっと大げさに言えば、設定した目的が達成できるなら、特定の媒体を使わなくても・デジタル媒体でなくても・広告を使わなくても良いかも知れません。

広告は、あくまで目的を達成するための『手段』です。
ちょっと大げさに言えば、設定した目的が達成できるなら、どの媒体を使っても・デジタル媒体でなくても良いのです。

目的を明確にすることができてはじめて『マッチした施策』『マッチした媒体』を選ぶことができますし、結果を分析・判断することも、次回に向けて改善することもできるようになります。すべての基準となるのは『目的が達成できているか』です。まずは、全体を俯瞰で把握し、目的のために広告にどのような役割を担わせるのか?を十分検討します。

役割が決まれば、そこにマッチする媒体を選ぶことができます。
媒体を選ぶ基準は『役割を達成できるか?』です。役割が明確であれば、マッチする媒体は簡単に決めることができます。
抽象的な目的は、抽象的な役割しか決められませんので、結局マッチする媒体を選ぶことができません。

決して媒体が先にあるのではありません。

目的は、因数分解して具体化しよう

目的は、因数分解することで具体的・明確にすることができます。筆者はガチガチの文系出身ですが、因数分解はビジネスの世界で重要な考え方であることは理解できます。

目的は、因数分解することで具体的・明確にすることができます。筆者はガチガチの文系出身ですが、因数分解はビジネスの世界で重要な考え方であることは理解できます。

因数分解は簡単に言えば、「掛け算の逆」です。

掛け算の結果(答え)から、何と何をかけ合わせたのか?を『さかのぼって』考える行為です。

 

ここで簡単な因数分解を確認してみましょう。
問題:『6』という数字は、何と何の掛け算でしょうか?

. .  .▼▼▼

答え:
 . 6=1×6
 . 6=2×3(もしくは6=3×2)

 

実際のビジネス(商品販売)に置き換えて考えると、

売上=購入者数×購入金額 であり、
購入者数=新規顧客+既存顧客(リピート購入) に分解でき、
同じように 購入金額=単価×個数 となります。

『売上を増やす』   ⇒ 『購入者数』を増やす? or 『購入金額』を増やす?
『購入者数を増やす』 ⇒ 『新規顧客』を増やす? or 『既存顧客』を増やす?
『購入金額を増やす』 ⇒ 『単価』を上げる?   or 『個数』を増やす?
を考えます。(実際にはそれぞれ「どれくらい(数量・現在からの変化)」も検討します)

分解したどこを増やすのか?(目的)を考え、マッチする施策・媒体を選びましょう。

伝えるメッセージの明確化のステップ(質と量)

当然のことですが、自社の商品が「良い」と感じてもらえれば、興味を持ってもらえ・購入につながります。これが最初の「目的(ゴール)」です。

次に、アプローチしたい層にどのようなメッセージを伝えるのか?(メッセージの質)を考えます。
ここでも先ほどの『目的』に基づき、因数分解を行い、明確化を進めます。

メッセージを送る本質的な目的は、『商品を購入してもらうため』です。
この目的を達成するためには、『商品に興味を持ってもらうこと』『欲しいと思ってもらうこと』が必要です。
先ほど想定した『アプローチ先ユーザー』は、(商品のカテゴリーについて)どのような情報を知れば、興味を持ち・欲しいと思ってくれるでしょうか?

現代はインターネットで検索すれば、(情報が正しいかどうかは別として)同じカテゴリーの商品の情報を手に入れることができますので、他社との比較は避けることができません。良い・悪いの判断は、情報を受け取ったユーザーにゆだねられています。自社の商品を無理やり買わせることはできないのです

そのような中、
 . 『他社より良い』『他社ではなく自社(広告主様)の商品が欲しい』と感じてもらうためには、
 . どのようなメッセージを送ればよいですか?

. .  .▼▼▼

 . アプローチ先ユーザーは、どのようなメッセージを受け取ると
 . 『他社より良い』『他社ではなく自社(広告主様)の商品が欲しい』と感じますか?

. .  .▼▼▼

 . そのメッセージを受け取ると、
 . なぜ『他社より良い』『他社ではなく自社(広告主様)の商品が欲しい』と感じるのですか?

 

さらにもう一つの要素は『メッセージの量』です。

いくら良いメッセージでも、大量の情報のうちのひとつでは、印象に残らず、購入の判断には至りません。
不動産や自動車など、価格が高かったり・検討期間が長い商品はなおさらでしょう。

あなたは昨日1日で見た広告を、すべて記憶していますか?

 

小さなバナーや広告文(の少ない情報)だけではなく、その先のランディングページ(の量・質ともに充実した)情報発信も含め、どのようなメッセージを伝えるのが『目的』を達成できるのか?全体を俯瞰で捉えることも重要です。

 

あなたは、不動産・自動車・家電などを、検索結果に出てきた広告・たまたま表示されたバナーを見ただけで(その後自分で検索したり、店舗で実際の商品を見たり、クチコミを集めたりせずに)「買おう」と判断しますか?どれくらいの金額までならそのように『広告だけで』判断しますか?

 

目的のためには、最初の接点である『広告』だけでなく、その先のランディングページや、可能であればSNS・他の媒体なども含め、アプローチ先ユーザーとの情報接点(の数・情報量)は十分に確保することが必要です。

『手段が多いこと』の意味と落とし穴

扱える手段が多いことは様々な業態・状況にマッチするもの・相性が良いものを提供できるこ・目的を目指すことを「運まかせ」にしないことにつながります。 しかしこれは、むやみに手段を増やすことを意味するのではありません。

『扱える手段が多いこと』は、様々な業態・状況にマッチする手段や相性が良い手段を提供できること・目的を『運まかせにせず能動的に手に入れようとすること』につながります。
しかしこれは、『むやみに手段を増やすこと』を意味するのではありません。

扱える手段が多いこと ≠ むやみに手段をふやすこと

 

中途半端にしか使えない手段を増やすことは、ムダを増やすことでしかありません。
効果のためには『使える手段』にしておく必要があります。

目的を手に入れるためには、次々と新しい手段に手を出し、中途半端なものを増やすよりも、すでに手元にある『使える手段』で同じ効果が出せないか?を考えるべきでしょう。使える手段をもっと使いこなす方が、目的を手にする精度はずっと高いはずです。

私たちアーバンプロジェクトは、様々な『使える手段』を持った総合広告代理店です。
まずは広告主様の『目的』を因数分解し、最もマッチするものを選び、ご提案いたします。是非お気軽にご相談ください。

 

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