ランディングページ(LP)と広告の良い関係

ランディングページ(LP:Landing page)とは、ネット広告や検索結果などをクリックし、最初にたどり着くWebページのことです。特にネット広告を行った場合は、専用のランディングページを作成し、広告と『セットで』考えることが重要です。

このページでは、広告+ランディングページ(LP:Landing page)を一体のものと捉え、効果を上げる方法について考えてみました。(本来Webサイト・Webページでは広告以外の様々な流入手段が存在しますが、別の機会にまとめたいと思います)

広告の3つの役割

ユーザーと最初に触れる瞬間

広告+ランディングページで全体を捉える時、ユーザーと最初に触れるのが広告になります。一般に(広義では)『広告』には主に3つの機能があるといわれています。

  1. 商品・サービスなどの特徴や優位性を正しく伝達する『情報伝達機能』
  2. 生活者に買う気(および資料請求・問合せなどの行動:コンバージョン)を起させる『欲望創出機能』
  3. 買う気を実際の行動に結びつける『説得的機能』

企業は、この3つの機能・目的のために広告というツール・手段を使います。

もう少し具体的に考えてみましょう。

リンゴの評価は?

たとえば『商品・サービスの特徴や優位性』の判断基準は、情報の受け手によるものになります。今、一つのリンゴを評価してほしいと差し出したとして目の前に置いたとしても、その人がどれくらいリンゴを好きか?や、今食べたいと思っているか?などによって、同じ『リンゴ』でもまったく評価が変わります。

このように受け手によって評価・判断が変わる情報を扱うため、広告では、『受け手の気持ちの理解に寄り添った表現』が、とても重要になります。

ネット広告では?

ネット広告に限って考えると、広告の役割の大半は、ユーザーをランディングページへ運ぶことです。

ユーザーは広告をクリックすることで、そのままランディングページへ誘導され、ファーストビューを見せられることになります。ファーストビューでは、一瞬(1秒とも3秒程度ともいわれています)でページに何が書かれているのか判断され、ユーザーが『読もう!』と判断した時にはじめてスクロールが行われ、コンバージョンへと続きます。

注目すべきは、広告のクリック以降ランディングページでユーザーがコンバージョンにたどり着くまで、すべてのステップで、ユーザーの『能動的な行動』が前提になっているということです。ユーザーの気持ちを理解し、寄り添うことなしにコンバージョンへは進んでもらえないのです。

リスティング広告(検索連動型広告)を例に具体的にみてみましょう。コンバージョンまでのステップを分解してみると、リスティング広告は、コンバージョンまでのすべてのステップ(前述の1~3すべて)を担っているのではなく、最初の段階でコンバージョンをしてもらえる可能性の高い人をランディングページへ誘導しているに過ぎない ということが分かります。

リスティング広告では検索結果画面に広告が表示されます。検索を行ったユーザーに対して検索結果と同時に広告が表示され、クリックしたユーザーはランディングページに誘導され、コンバージョンへ進みます。

広告からCVまで、ユーザーの能動的な行動で進行します。

リスティング広告では、ユーザーは何らかの目的をもって検索を行います。(Googleはユーザーの目的を以下の4つに分類しています)

  • 〇〇について知りたい
  • 〇〇(実際の場所・〇〇のサイト)に行きたい
  • 〇〇(行動)をしたい
  • 〇〇を買いたい

検索結果画面に、目的に応じた検索結果と広告が一覧され、ユーザーは、その中から自身の目的にマッチした内容が掲載されていると思われるリンクを選び、順にクリックします。

広告は『検索』というユーザーの瞬間的な行動に合わせて表示されます。そこから先、検索結果画面でリンクを『選ぶ』のも、ランディングページのファーストビューをみて『スクロールしよう!』と決めるのも、ユーザーの能動的な行動です。クリックされやすい(≒選ばれやすい)広告表現やスクロールされやすいランディングページの構成も、やはりユーザーの気持ちに寄り添うことがポイントのようです。

目的の内容が掲載されているか予測している

  • クリックされやすい広告表現やスクロールされやすいランディングページの構成はユーザーの気持ちの理解から
  • ユーザーの気持ちを理解し、寄り添うことが結果としてコンバージョンにつながる

ディスプレイ型広告では?

では、ディスプレイ広告ではどうでしょう?

ユーザーの属性や興味関心などを基本にターゲティングするディスプレイ型広告は、リスティング広告のようなユーザーの意図ではなく、広告主が、ユーザーの属性に基づいて、『コンバージョンのニーズがあるだろう』という想定で配信が行われています。広告が表示されるかどうかはユーザーの意図・行動の瞬間ではなく、ユーザーが偶然訪れるかどうか?・特定の属性に合致しているか?にかかっていることが両者の大きな違いです。

ディスプレイ型広告では偶然広告を発見する

関連サイトで偶然広告を発見したユーザーの気持ちは、リスティング広告で目的を持って検索していたユーザーの気持ちとは異なります。関連サイトを見ているユーザーはニーズが薄い・違うニーズを持っている状態なので、違った訴求表現をしないと、見つけてもらえない(⇒クリックしてもらえない⇒コンバージョンに誘導できない)ことにつながります。もちろん新築住宅の広告は住宅関連サイト・興味を持っているユーザーに配信されますので、まったく的外れということではありませんが、広告の表示タイミングは『偶然広告枠のあるサイトを見たから』『属性に合致しているから』であり、見た瞬間にニーズがあるかどうか?ではありません。

  • ディスプレイ型広告は、ニーズが薄い・違うニーズを持つユーザーが含まれる可能性が高くなる
  • ディスプレイ型広告のポイントは、配信対象の広さ・広告表現の工夫

以下簡単に両者の違いをまとめてみました。対象となるユーザー(のニーズ・コンバージョンへの熱量)が違うのため、広告・ランディングページに求められるものも違うのです。

リスティング広告 ディスプレイ型広告
ユーザー 〇〇について知りたい/〇〇(のサイト)に行きたい/〇〇をしたい/〇〇を買いたい 関連サイトを閲覧していた(商品・サービスへのニーズが明確でない・潜在的)
広告表現 検索意図の回答(+α) ニーズの提示+自分ごと化
 〇〇なら△△/△△の〇〇/〇〇が△△円/人気の〇〇/〇〇送料無料 〇〇でお困りの方/20代のあなたに/〇〇の方必見/あと3キロ/1日1杯で/〇〇なのに△△
ランディングページのファーストビュー 検索意図への回答+ページ下部への誘導 潜在的ニーズへの回答+ページ下部への誘導

リスティング広告では、ユーザーが言語化できているかどうかにかかわらず、明確なニーズが存在しています。リスティング広告では、前述の4つのニーズにひもつく『ワード』で検索が行われますが、ディスプレイ型広告では、ユーザーは商品・サービスに対するニーズは明確ではないため、広告でニーズを『思い出してもらう(ニーズの提示+自分ごと化)』というステップが必要になります。

ランディングページの構成要素

ランディングページ全体の構成要素についても考えてみましょう。

前述の通りランディングページは、広告をクリックしたユーザーに商品・サービスの特徴などを十分に伝え(情報伝達機能)、欲しいと感じてもらい(欲望創出機能)『能動的に』コンバージョンしてもらう(説得的機能)のが役目です。広告は、その最初の部分を主に担当します。ユーザーに強制的にコンバージョンボタンを押させる訳にはいきませんから、ランディングページでもユーザーの気持ちを十分理解することが必要不可欠です。

  • 情報伝達機能/欲望創出機能/説得的機能を広告とランディングページで分担する
  • ユーザーの気持ちを十分理解し、寄り添う

一つの商品やサービスで全ての顧客のニーズを満たすことは不可能です。例えば『ラーメン』のニーズには、『みそラーメン』『しょうゆラーメン』『とんこつラーメン』など、様々なニーズが含まれています。『ラーメン』と看板を出しているにもかかわらず『みそらーめん』だけしか提供されないと、しょうゆラーメンやとんこつラーメンを求めていたユーザーは、求めていた内容と違うので十分満足できません。看板に最初から『みそラーメン』と書いておけば、集客数は減るかも知れませんが、そもそも『みそラーメン』を求めている人だけがやってきますので(味などは別の話ですが)満足度は高くなります。

おいしいみそラーメンとは?どのような情報を伝えればよいでしょうか?

ランディングページでは、訪問したユーザーに『能動的に』コンバージョンまで進んでもらうため、様々な情報を表現すること(説得的機能)が必要になります。ラーメン店の例として以下のようなものを考えてみました。(実際にランディングページに構成する時は一瞬で判断されるファーストビューにどの項目を盛り込むかが重要になります)それぞれのビジネス・商品・サービスでも考えてみてください。

ユーザーニーズの例 一番おいしいみそラーメンを食べてみたい
ベネフィット(独自性がユーザーにもたらすメリット) 1位と1位のコラボを試したい(一番おいしいことが期待できる)
商品・サービスの独自性 『全国みそ-1(ミソワン)グランプリ』5年連続1位獲得のみそと『全国ダシ-1(ダシワン)グランプリ』3年連続1位獲得のダシが初コラボ、麺は専用に開発
『独自性』とニーズのマッチング 一番おいしいことが期待できる・一度食べてみたい
なぜ『独自性がある』といえるのか コラボは今回はじめて
信頼感(ベネフィット/独自性のエビデンス) 各グランプリはテレビなどでも有名
安心感(まわの評判/利用者の声) グルメ番組や雑誌などにもたくさん取り上げられている・SNSなどでもおいしかったと評判
ストーリー(商品・サービスの歴史/込められた想い) コラボの実現や麺の開発で苦労した
クロージング(今買う必然性) 家の近くにオープン、オープン記念半額セール実施中

※『全国みそ-1グランプリ』『全国ダシ-1グランプリ』は架空の名称です

まとめ

ユーザーニーズを狭く絞り込みストーリー建て

リスティング広告・ディスプレイ型広告いずれを使う場合でも、最も大切なのは、対象となるユーザーの『気持ち』に寄り添いコンバージョンまで導くことです。気持ちを明確に把握するためには、ユーザーをニーズで細かく分類することが効果的です。ユーザーのニーズを狭く絞り込むことでユーザーの思考のながれを明確化し、コンバージョンへ導くための『ストーリー建て』が可能になります。明確になったユーザー像が、どのような情報を得て、どのように『能動的に』行動するのか?を考え、広告やランディングページを割り当てていくのです。

広告以外の流入や、いわゆるネット広告でもSNS広告などを中心にランディングページへの遷移を伴わないものもありますが、いずれもユーザーの気持ちを考えるという部分は共通しています。

広告⇒ランディングページを考える時、リスティング広告とディスプレイ型広告それぞれに専用のランディングページを作るのが理想です。さらに言えば、それぞれの広告の中でも、含まれるユーザーニーズごとにランディングページを分けるのが良いかも知れません。もちろん予算やテマなどの理由から実際には1種類しかランディングページを作らない(作れない)こともあるでしょうが、今回書いた内容をふまえておくことで、『全体の効率化』が可能になるのではないでしょうか。

最適を選ぶための『総合広告代理店』として、ご提案・実践を進めてまいります

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