広告をうまく機能させたい!良い広告作りの基本とは?

Webプロモーションを展開する上で、ユーザーとの最初の接点になる『広告』は、とても重要です。

ユーザーは、広告をきっかけとしてLP(ランディングページ)へ移動し、さらに情報が伝えられます。広告で伝えられる情報量は、LPに比べとても小さいのは事実ですが、広告が正しく機能することではじめてユーザーをLP(≒全体の構成の中で重要な訴求メッセージの本質)へ導くことが可能になるのです。

そのような重要な役割を持つ広告。
では具体的にどうすればうまく機能させることができるのでしょうか?
いくつかのポイントについて考えてみましょう。

伝える相手を絞る

まず大切なのは伝える相手を絞ることです

まずは、メッセージを伝える相手を絞ることです。

多くの人にメッセージを伝えることは、ともすれば『薄い』メッセージを伝えることにもつながります。効果的にメッセージを伝え、成果を得るためには、アプローチする相手を絞ることは必須といえます。

おすすめは『ニーズ』『悩み』『課題』で分けること

年齢や性別といったデモグラフィック要素だけではなくニーズ・悩み・課題で分類するのがおすすめです

対象者を絞る場合、一般的には、年齢・性別などの『デモグラフィック要素』をイメージすることが多いようですが、おすすめは、まず『ニーズ』『悩み』『課題』で絞る方法です。CV(購入・申込など サイトの『成果』となるポイント)の『緊急性)』を使うのも良いでしょう。

デモグラ要素だけで分類する危険性

少し前にネットで話題になったTwitterの投稿をご紹介します。目にした方もいらっしゃるかもしれません。

『チャールズ』と『オジー』の二人は、どちらも1948年、イギリス・ロンドン在住の男性です。どちらも子どもは二人以上。どちらも富裕層で、どちらも城に居住しています。

チャールズ (プリンス・オブ・ウェールズ) – Wikipedia
オジー・オズボーン – Wikipedia

 

年齢・性別といったデモグラフィック要素のみの区分(この場合は出身・婚姻・家族構成等も共通)では、二人は同じ分類に入ることになります。
あなたの商品・サービスをアピールし、購入を促す時、イギリスの王位継承者チャールズ皇太子とヘビメタのロック歌手オジー・オズボーンに同じアプローチで十分な効果が出せるでしょうか?

これはちょっと極端な例かも知れませんが、例えば『20代のためのファッションブランド』を訴求する場合でも『大人っぽいファッションにあこがれる10代』や『かわいいファッションが好きな30代』を加えるなど、年齢ではなく興味・関心を軸にしてみることは、十分検討すべきではないでしょうか。

『あえて選ぶ理由』を伝える

さて、ようやく分類したユーザー(群)に伝えるメッセージを考えるステップです。

伝えるべき内容は、ひとことで言うと、商品・サービスを『あえて選ぶ理由です。ほとんどの場合ユーザーはいくつかの中から比較検討し、購入に至ります。比較のステップで他社ではなく『あえて(≒ユーザーの意思で・能動的に)』自社を選んでもらう必要があるのです。とはいえ、競合他社商品と明らかな違いがある商品ばかりではありません。自社でこだわりにこだわった商品・サービスだったとしても、ユーザーから見れば区別がつかない・どちらでもよい(こだわりポイントがズレている)といった場合も多いのではないでしょうか。では、何を・どのように伝えれば良いのでしょうか?

スペック・データを比較(情報化)+ユーザー視点

他社・業界全体と比較で考えましょう

まずは商品・サービスについて詳しく学ぶことがスタートです。
単純にその商品のスペック・データを知るだけではなく、そのデータ・スペックは競合他社・業界全体と比べてどうなのか?を考えてみましょう。比較で考えることでスペック・データは、はじめて意味を持った『情報』になります

『だから』『なのに』で自分ごと化

次にユーザーの視点を加えます。
先ほど『ニーズ』で絞り込んだユーザーにとって、その情報はどんなメリットがあるのか?を考えます。『○○が△△%含まれている(他社より△%多い)』ことは、絞り込んだユーザーにとってどんなメリットがあるのか?の部分です。

○○が△△%含まれている『だから』ユーザーにとって◆◆◆
「良いデータ」がユーザーに与える良い影響を伝える

○○が△△『なのに』ユーザーにとって◆◆◆
「悪いデータ」と相反する良い内容を伝える

このように、ピックアップしたデータに『だから』『なのに』を続けると考えやすくなります。メッセージを深く伝えるには、このように広告を見るユーザーにとって『自分ごと化』されていることが必要になります。

より伝わる表現にブラッシュアップ

出来上がった『メッセージ』は、そのままでは、ぶっきらぼうだったりストレート過ぎたりして、十分に伝わりにくいことがあります。メッセージを作る時に考えた『伝える相手』をもう一歩深く考えてみましょう。広告を見てくれる人・広告にアクションしてくれる人など、広告の先にいる人をさらに具体的にイメージするのです。

『現在の姿』と『未来の姿』

現在の姿と未来の姿をイメージしましょう

よくあるのは、対象となるユーザー層の『現在の姿』だけを考え、表現を組み立ててしまうことです。

さらに加えて『商品・サービスを使用することによって得られる未来像』をイメージし、変化のストーリーを考えることです。現在の姿も未来像も、よりリアルに・細部まで明確にイメージすることがポイントです。

住宅をアピールする場合を考えてみましょう。

住宅を訴求する場合を考えてみましょう

ニーズ:住宅が欲しい(探している)

商品や訴求内容にもよりますが、ニーズそのもの(住宅が欲しい・探している)を、『それはなぜ?』『具体的には?』と繰り返すことで、より深掘りしていきます。

例えばこんな感じです。

 

住宅が欲しい ➡ それはなぜ?・具体的には?

  • 住んでいる住宅では手狭になったので引っ越しを考えている。
    ➡ 子どもが大きくなってきたし家族の荷物も増えてきた。
    ➡ 今の住まいは収納場所が限られている。
    ➡ ○LDKが希望だが現在の家賃(〇万円)より増えるのは避けたい。

次に、自社の商品(提供している住宅)を購入した場合の『将来像・未来の姿』を考えます。

  • 支払い額は若干増えたが、予定していた部屋数より一部屋多く確保できた。収納・キッチンも広くなったので満足。
  • 駅の反対側エリアのマンション。静かな環境。駅まで近くなったので便利になった。
  • 子どもの学区はそのまま変更なし。子どもを転校させる必要がなくて良かった。

もちろんメッセージは『より多くの人』に届けたいのですが、訴求を明確にするためには『特定のひとり』を具体的にイメージして進めます。
特定のひとりに向けて具体化することで、メッセージを、より研ぎ澄ませるのです。

ストーリー・エピソードでつなぐ

現在の姿と未来の姿をストーリーでつなぎます

さらに、具体的にイメージした『現在の姿』から『未来の姿』までの変化を『ストーリー』『エピソード』を添えて構成します。

  • 家族の荷物が多く収納場所が少なく困っていた。
    ➡  収納場所の多い物件に引っ越したので、たくさんの荷物もすっきり収納できた。
  • 駅近 徒歩△分かかっていた。
    ➡ 引っ越して駅が近くなった。さらに案外静かで、思った以上に快適。

このように構成したメッセージを、最終的にコピー・デザインなどに落とし込み、調整を加え仕上げていきます。
訴求の中心となる部分が『伝わりやすい明確な状態』まで構成できていれば、クライアント様はもちろん、デザイナー・コピーライターなどへも共有しやすいでしょう。

お客様のお客様を理解するのが本質

お客様(クライアント様)のお客様の目線が大切です

近年『顧客目線』という言葉が頻繁に聞かれるようになりました。
私たち代理店の立場で考えると、『顧客』とは一見『クライアント様』のことのように考えてしまいがちですが、果たしてそうでしょうか?

広告・プロモーション案件全体で考えると、クライアント様ではなく、その先にいるクライアント様のお客様を理解することこそが求められていることを忘れてはいけません。そして残念ながら、クライアント様自身も、その先のお客様(クライアント様のお客様・最終消費者)の目線に立てていないことも見かけられます(これは悪い意味ではなく、専門的な視点を得ると「専門家でない人が見えていたもの」が見えなくなる という意味です。逆も然りで専門家だからこそ見えてくるものもあります)。
私たちは、お客様のお客様』の目線で考え、日々業務を行っています。

 

お客様のお客様に響く広告を。是非お気軽にお問い合わせください。

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