日本インタラクティブ広告協会(略称:JIAA)は、2020年11月、全国のインターネットユーザー（1グループ4名×5グループ、計20名）を対象に、「2020年インターネット広告に関するユーザー意識調査（定性）」（オンラインでのフォーカスグループインタビュー）を実施し、ユーザーがインターネット広告体験から感じている本音を掘り下げ、インターネット広告の信頼性の向上に繋がるファクターを抽出し、調査結果として公表しました。

日本インタラクティブ広告協会（Japan Interactive Advertising Association）：
インターネットが信頼される広告メディアとして健全に発展していくためにビジネス環境を整備することを目指し、1999年5月にインターネット広告推進協議会として発足。
また、2017年1月から米国に本拠地を置くInteractive Advertising Bureau（略称IAB）のグローバルネットワークに「IAB Japan（JIAA）」として参画中。

調査目的

全国5000人を対象に行った「2019年インターネット広告に関するユーザー意識調査（定量）」の結果から導き出された仮説をもとに、定量調査では把握できなかったユーザーのインターネット広告に対する繊細で複雑な意識を定性的に確認し、課題の改善に向けた施策の方向性を定めるための知見を得る目的で実施。

調査概要

・調査エリア　：全国
・調査対象者　：20～49歳男女のインターネットユーザー(Webリクルート)
・調査方法　　：フォーカスグループインタビュー(オンライン実施)
・調査時期　　：2020年11月7日(土)～8日(日)
・グループ構成：1グループ4名×5グループ　全20名
［インターネット広告へのリテラシー×利用デバイスでグループ分け］
G1：ネット広告高リテラシー・PC利用
G2：ネット広告高リテラシー・スマホ主利用
G3：ネット広告低リテラシー・PC利用
G4：ネット広告低リテラシー・スマホ主利用
G5：女子大生（ネット広告リテラシー・利用デバイスは混在）

2019年の調査結果

2019年に実施された｢インターネット広告に関するユーザー意識調査」で得られた結果

• ネット自体は1日の平均利用時間3時間半を超え、必要性は80％を超えるなどユーザー評価は高い
• 一方で信頼性は46％と評価は低い
• ネット広告は｢しつこい/不快｣｢邪魔/煩わしい/うっとうしい｣がいずれも30％前後と、ネガティブなイメージ
• また、半数以上のユーザーが｢広告の表示のされかた｣に対して嫌悪感を抱いている
• ユーザーの85％がネット広告への情報活用に不安
• 特にプライバシー性の高い情報の取得・活用に対して抵抗感を感じている
• 約9割のユーザーが広告を受容し、ユーザーの約6割が広告の役割やメリットを理解

大多数のユーザーが広告の役割やメリットを理解し受容している反面、
ネット広告にネガティブなイメージと嫌悪感を抱いていることが明らかに。

2020年の調査結果

2019年の結果を深掘りする仮説を立て実施した、今回の意識調査で得られた結果

• インターネットメディアの評価とインターネット広告の評価には関連性があり、相互に影響し得る
• 嫌悪感の要因のうち「広告表示のされ方」「広告の表現内容」「業種やサービス」の改善に対するJIAA施策の方向性が合っていた
• 「ターゲティング」は嫌悪感以外に期待の声もあり、使い方次第で評価が分かれる
• ユーザーの本音を傾聴し、業界の課題意識や施策をユーザーに広く浸透させることが不可欠である

定性調査の結果、インターネット広告の信頼性向上のために、JIAAの諸活動の方向性が合致していることが定量調査に続き確認された。一方、各施策の意図や内容をユーザーに広く浸透させていく必要もある。
また、ターゲティング広告の嫌悪感は情報の取扱い以外の要因が示唆され、再考察が必要であることが明らかに。

JIAAは、今後も継続して調査を実施しユーザーの率直な本音を知り、ユーザーの期待や要望に応える施策を検討し実行に努め、その施策を広く浸透させることが、インターネット広告の信頼性向上のために重要であるとの認識のもと、ユーザー視点に立った活動を推進していく、とまとめています。

調査結果や洞察についてはJIAAのプレスリリースに調査に関する詳細資料がアップされていますので
興味のある方は是非ご確認下さい。

引用：

JIAAプレスリリース　https://www.jiaa.org/news/release/20210309_user_chosa/

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会　https://www.jiaa.org/